のれんに使用される生地にはどのようなものがある?
のれんは昔から店の軒先に掛けられ、日除けや目隠しの
ために使われてきました。
夏は涼しげな薄手の素材、寒い冬には厚手の素材、と
いうように使い分けもされています。
のれんに使用される生地にはさまざまな種類があり、現代
では綿や麻、ポリエステルなどが多く利用されています。
麻は透け感のある涼しげな素材ですが丈夫で破れにくく、
綿は織り方によって厚みや風合いに大きな違いが出る
素材です。
化学繊維であるポリエステルは薄手で強度が高く、
光沢があるのが特徴です。
中でも麻や綿の織物である帆布(はんぷ)は、文字の通り
船の帆に利用されるほどの強度を誇る布地です。
厚みの種類は1号〜11号まであり、厚手になるほど
数字が小さくなります。
独特の手触りや風合いが若者に人気を呼び、現代では
のれん以外にもトートバッグやエプロン、インテリア
など幅広く利用されています。
色の種類や加工により多くの種類から選ぶことが
できるようになったのも魅力でしょう。
のれんに使われる11号帆布の特徴は?
のれんに使われる11号帆布は、帆布の中でも一番薄手の
生地ですが、それでも他の布と比べるとかなりの厚みを
感じるでしょう。
ですが、厚手ながらも家庭用のミシンで縫える厚さ
なので、自分で縫製加工することも可能です。
帆布自体がしっかりと固く織られているため、
麻布のような透け感や軽さはありませんが、耐久性に
おいては一番薄い11号でもかなりのものがあります。
頑丈で耐久性に優れているため、日が当たる屋外や
雨風が当たる場所でも使用することができます。
使うごとに味わいが増し、自然素材ならではの良さを
実感できるでしょう。
しかし、面積が広くなるほど重さが増すため、外に
持ち運んで使用する場合は運搬時に注意が必要です。
11号帆布はその厚みのために、染色した際に裏地まで
色が染み込みにくく、裏からも染める両面染色が
必要になります。
染色や各種加工に手間がかかりますが、帆布でしか
再現することができない個性があるのです。